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ホワイトとは?/ マイワン

[ 1576] ホワイトカラー - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC

これらの職種は主に(白を基調とした)ワイシャツを着用する事からこのように呼ぶ。一方、現業で作業する人はブルーカラーと呼ばれる。
なお公務員のうち警察官の上級職(刑事や役職付き)や消防吏員は白いシャツを着用する事もあるが、あまり意識してホワイトカラー(主に事務職)とは呼ばれない。この辺りは警官や自衛官なども事務中心の役職や部署も少なからず存在しているが、いずれも一般からはホワイトカラーの範疇としては見なされない傾向が見られる。これらは一般の民間企業とは異なる業務形態にも絡むが、その一方では一般との接点に乏しく、その日常業務の内容が余り知られていない事にも絡むと考えられる。そのためホワイトカラーと一般に述べた場合は、主に民間企業ないし公務員でも役所勤めといった範疇であるといえよう。
なおこの「白いシャツ・白い襟」ではあるが、近年では社会的風潮や職業の変化もあって、必ずしも「白を基調としたシャツを着ている」とは限らず、淡い色付きシャツを着ているケースも多い。また職場によっては原色のシャツ着用が認められている場合もあり、言葉だけが残っている面がある。
なお、やや余禄となるが、ホワイトカラーとブルーカラーの区分けに対して、技術職や技能職(→技術者)としての、メタルカラーと呼ばれるもう一つの区分けを設ける場合がある。この区分けは1990年代に入って『メタルカラーの時代』により次第に注目されるようになっていった。
製造や開発の場で働く技術者は、従来ホワイトカラーとブルーカラーの区分けから漏れ落ちたりその時々で認識のされ方が違うが、いわゆる技術職や技能職としての職人が、同時代以降に製造設備の開発などに於いて重要視され注目を集めている。
この注目は『プロジェクトX』のように、技術で工業や加工貿易を成功させた日本の在り様に対する再認識も呼んでいる。
日本では1950年代以降に急速に発展した工業で、世界市場に様々な製品を提供するようになった事から、単なる生産や加工・またはそれらの設計や開発だけではなく、その製品を売ってくる商業や、売るための事務処理をこなす職種の必要性が増大している。また会社組織が巨大化するにつれ、これを維持し生産管理や労働者の給与管理等もするためにも事務職が必要となる。
このため同年代以降ではホワイトカラーが全労働者に占める割合が増え、生産活動には直接従事しないこれらの労働人口増大にあわせて、労働者を供給する教育の場も変化を求められた。
だが1980年代に差し掛かる頃には、機械油にまみれたり怪我をする危険性の高い工作機械を扱う(3Kと呼ばれる)ブルーカラーよりも清潔で安全な職場(に少なくとも見える)ホワイトカラー層への就職希望者が殺到するようになり、次第に供給過剰状態に陥ってきている(肉体的負担の大きいブルーカラーの賃金がホワイトカラーより安く待遇が釣り合わない場合があるのも遠因、との見方もある)。
1990年代に入ってコンピュータ技術者(プログラマーやシステムエンジニア)等の、工場ではなく事務所内で働く種類の、直接的に製品の生産に従事する職種が出てきて、この余剰労働力を吸収している傾向も見られる。
2000年代に入って、職場での服装規定があまり厳しくない所も出てきている。ある程度、カラフルなシャツを着る人もよく見られる。主にパステルカラーに代表される淡い色合いのシャツを好む人も見られる一方、顧客と顔を合わせる機会の少ない情報処理業界を中心にラフな服装での出社が容認される企業の増加、更には2005年のクール・ビズに代表される服装規定の見直しといった変化で、同語は外見に依らず「単なる言葉上の区分」となる傾向もある。
かつて日本においてホワイトカラー職種は、ブルーカラー職種よりも安全で快適、かつ身体的には楽な仕事だと見なされていた。このため労働者層のホワイトカラー指向が社会的に高まったが、実際にはホワイトカラー職種にも、固有の労働問題が発生しうる。
1980年代には、キーパンチャーなどの職種で腱鞘炎やストレスといった問題が取り沙汰されていたが、この他にも残業の常態化や冷房の利き過ぎなど、職場環境や雇用環境による自律神経失調症・冷え性といった身体的な異常や、うつ病を含む精神疾患など、ホワイトカラー職種の職業病として扱われる各種疾患が取り沙汰されている。なおこれらでは、ブルーカラー職種の職業病とは違い、直接的な因果関係が仕事との間に見出し難い事も多く、労働災害と認定され難い傾向も見られる。
1990年代には喫煙に絡む受動喫煙の問題が注目され始め、分煙が進んだ。なお分煙化以前は、オフィスのデスクや会議室での喫煙は当然の行為であり、一部の職種では紫煙で部屋の空気がよどむこともしばしば発生しており、呼吸器疾患の持ち主や喫煙を好まない側からは、職場環境の改善が求められることもあった。OA機器の普及以降は、これに用いるコンピュータなどの情報機器に煙草の煙や灰が吸入されて故障しやすくなるので良くないとされ、情報処理関連職種より分煙化が進むという皮肉な事態となった。またコンピュータの普及によりドライアイなどの症状を訴える人の割合も増加している。
2000年に前後して、うつ病による自殺が社会問題として扱われるようになり、職場環境と精神医学分野への関心の高まりから、ホワイトカラー職種の職場環境の見直しが進んでいる。これには2000年問題に絡んで様々なシステムの刷新が求められ、情報処理業界で急激な需要増加に対応しきれずに超過労働が常態化、更には過労死の問題を生んだ反省だともいえよう。しかしそれでもホワイトカラー職種に採用されたが精神的に病んだり、または仕事に失望して脱サラしたり無職化する者も少なからず見られ、社会問題視されている。

 

[ 1577] ホワイトカラーエグゼンプション - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%82%B0%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

各国の労働法制において、労働時間の規制がなされていることを前提としてその規制の適用を免除し、または例外を認めることで、労働時間の規制を緩和することをいう。狭義には労働時間そのものに関する規制についての緩和を指すものであるが、労働時間規制に付随する規制として、労働時間に応じた賃金の支払いの強制や、一定の時間を超えた超過時間についての割増賃金の適用義務化などが設定されていることから、広義にはこれらの適用の免除についても本制度の範疇として理解される。
「一律に時間で成果を評価することが適当でない労働者の勤務時間を自由にし、有能な人材の能力や時間を有効活用する」ことを趣旨とする、未導入の制度。
本制度の適用を選んだ労働者はその使用者との間で合意した一定の成果を達成する前提で、勤務時間を自己の責任において自由に決められるようになる。通常の定時勤務にとらわれない反面、勤務時間に基づかないため休日出勤等の時間外労働を行った場合の補償はされない(ただし休日については週休2日相当の日数が確保される)。
なお類似制度に裁量労働制があるが、裁量労働制はあくまでも「みなし労働時間」制であり、労働時間規制を除外するものではない。
2007年9月11日の記者会見で、舛添要一厚生労働大臣がホワイトカラーエグゼンプションの呼称を「家庭だんらん法」という呼称に言い換えるよう指示した。
日本においては2005年6月に経団連が提言を行い、以降厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会において「労働時間法制のあり方」の課題のひとつとして導入が検討された。
2006年12月27日、本制度を盛り込んだ法案要綱が初めて審議会に諮問された時点でマスコミ(特に放送メディア)はこれを一般労働者に対して残業代カットを認める法律として「残業代ゼロ法案」と揶揄し報道した。これは当時の厚生労働省発表では適用対象者の範囲が具体的に示されず、基準年収額も「相当程度高い」とするのみで明確でなかったためである。ただし、法案要綱では労使委員会において合意がなければ導入できない旨などが明記され報道にあるような内容ではなかったが、その時点では法案要綱の内容は公表されていなかった。労働者層を支持基盤にする民主党、日本共産党、社会民主党も批判し、実質残業代が減少、皆無になると恐れた全労連、連合、全労協などの労働団体も反対運動をおこした。無報酬の長時間労働を合法化する制度だとして、「過労死促進法案」だとする批判も巻き起こった。
こうした動きを受けて、与党内では2007年4月の統一地方選挙や同年7月の参議院議員通常選挙への影響を懸念し、2007年の国会への提出を先送りするべきとの意見が出るようになった。
2007年1月11日に厚生労働省は対象者の範囲を「年収900万円以上」「企画・立案・研究・調査・分析の5業務に限る」として基準を明確にしたが、与党は結局、同国会での法案可決を断念した。2007年1月に審議会に提出された「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」の中に「自己管理型労働制」という名称で盛り込まれたが、国会には提出されておらず、制度として導入されていない。7月29日に行われた参議院選挙の結果、導入に反対の姿勢を明確にしている野党側が過半数を占めることとなり、与党側も実現のための意欲は見せておらず、近い将来の導入の見込みはない。
「労働基準法の適用を除外する」という一見刺激的な内容のためか、法案の全体像が明らかでない段階からマスコミ(特に放送メディア)は本制度の導入が検討されていることを積極的に報道。その結果、労働者の不安が増幅する一方で制度の正確な理解がないまま様々な反響が生まれた。
他の一般人向けアンケートにおいても、制度への反対意見が賛成意見を大きく上回り、TV局が行ったアンケートでは複数の民放局のアンケートで反対が70%前後、NHKが行ったアンケートにおいても反対が44%(賛成は14%)という結果が出ている。また、産経新聞が同社のWebサイト上で行ったアンケートでは導入反対意見が94%にも達した[1]。
厚生労働省の少子化問題を担当している部署内において、本制度導入による長時間労働促進のために(除外対象となった会社員が)家庭で過ごせる時間がますます減ってしまうという反対意見があった[2]。
労働基準法が作られた終戦直後は日本の就業人口のほとんどが第1次産業・第2次産業に従事していた。それが高度成長期を経て、経済が成熟するとともに徐々に第3次産業の比率が高まり、現在では全就業者の約半数が第3次産業に従事している。このように産業構造が大きく変化するなかで、ホワイトカラー労働者のなかに事務的労働ではなく成果のみを求められる新しい労働者が現れ始めた。また、IT環境の整備が整うにつれ、職場に縛られない働き方も可能になってきており、こうした現実に対応した新しい労働時間法制のニーズが生まれた。
日経連(当時、現日本経団連)は1995年に「新時代の『日本的経営』」という報告書において将来的な雇用関係のあり方について提案した。「ホワイトカラー」はその働き方に裁量性が高く、労働時間の長さと成果が必ずしも比例しない部分があるとしており、このため労働時間に対して賃金を支払うのではなく、成果に対して賃金を支払う仕組みが必要というのが提案の要旨である。
この提案には様々な団体や個人が反対を表明しており、「労働時間の長時間化、サービス残業の合法化を招き、特に中小零細企業での悪用が懸念される」といった趣旨の主張をしている。
また、過重労働やサービス残業に対する行政の監督強化に反対し、規制緩和をいっそう推し進めたいという財界側の意向もあると言われている[1]。
また2006年6月に発行された日米投資イニシアチブ報告書[3]には、アメリカ政府が世界的に進めるグローバル資本主義導入の一環として日本国政府に対し「労働者の能力育成の観点から、管理、経営業務に就く従業員に関し、労働基準法による現在の労働時間制度の代わりにホワイトカラーエグゼンプション制度を導入するよう要請した」と記載されており、アメリカからの要請という側面も持つ。これについて反米派は、アメリカ政府が日本における外資企業(自国企業)の収益性・効率性を上げるために、日本の親米保守派に圧力をかけたのだと考えている。
提言の背景としては他にも森永卓郎が独自の分析をしており、その中で「非正規雇用の活用増による人件費抑制」というビジネスモデルが限界に達しており、今以上の人件費抑制を進めるために、使用者側がホワイトカラーエグゼンプションを考えているのではないかと発言している[4]。
注:「週当たり四十時間を超える在社時間等がおおむね月八十時間程度を超えた対象労働者から申し出があった場合には、医師による面接指導を行うこと」を必ず決議し、実施することを指針において定めることとする。
制度の適正な運営が確保されない場合、行政は使用者に改善命令を出すことができる。また、命令に従わなかった場合には罰則を付すことができる。
2006年6月13日に開催された厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会の会議には「労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(案)」と題する資料[5]が提出された。その中では「自律的労働にふさわしい制度の創設」としてホワイトカラーエグゼンプション制度の創設について触れられた。また同年11月10日には「今後の労働時間法制について検討すべき具体的論点(素案)」と題する資料[6]が提出され、「自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設」としてホワイトカラーエグゼンプション制度に関する論点がまとめられている。
2007年1月25日、厚生労働省は労働政策審議会労働条件分科会に「ホワイトカラー・エグゼンプション」を盛り込んだ労働法改正案と労働契約法の法案要綱を諮問した。労働者委員からは「削除すべき」との意見や使用者委員からは「議論が尽くされてない」などの意見が出された。2月2日、労働政策審議会は「ホワイトカラー・エグゼンプション」などを盛り込んだ労働基準法改定案と労働契約法の法案要綱を了承する答申を出した。
労使委員会の決議により定めた業務で、月給制か年俸制、年収が400万円か全労働者の平均給与所得以上の者
労使協定により定めた業務の従事者で、月給制か年俸制、年収が700万円か全労働者の給与所得上位20%以上の者
多国籍企業の競争が激化するグローバル資本主義化が進む未来において、国際競争力を維持する一助となる。具体的には、達成すべき成果をもとに時間という概念を考えないで人員配置などの経営計画をたてやすくなる。 厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会に提出された資料[11]では使用者側からのものとして、
労働者のメリットとしては「時間・場所に囚われず自分のペースで仕事ができる」「趣味や勉強や家族と過ごす時間などを柔軟にやりくりできる」「成果を早期に達成すれば自由時間が増える」などが考えられる。
また2007年の第1回経済財政諮問会議にて、伊藤忠商事取締役会長である丹羽宇一郎がスキル向上のために残業代なしで土日も出社したいという若い人が沢山居るが、ホワイトカラーエグゼンプション制度がないために出社許可が出せないという旨の発言をしている(議事録(PDF))。
裁量労働制は対象業務の範囲が限られており、導入の要件が厳格に過ぎる。また、あくまでみなし労働時間制であり、労働時間そのものの制限適用除外ではない。
また後者については、2007年2月労働政策審議会において了承された法案要綱によれば労働者が制度の適用・不適用を選べる内容になっており、この点についての不安は解消されたといえる。
ホワイトカラーエグゼンプションの導入論議が起きるかなり前から、在日の外資系コンサルティング会社や外資系証券会社では、基幹業務に携わる社員については管理職でなくとも残業代を支払わない給与体系を有しているところが多いが、それが実務上問題化した例は極めて少ない。
労働政策研究・研修機構による2005年6月に発表された「諸外国のホワイトカラー労働者に係る労働時間法制に関する調査研究」等によると、アメリカ・ドイツ・イギリス・フランスの「労働時間制度の適用除外制度」の概要は以下のとおり。
労働時間に関する規制としては週40時間以上の時間外労働に対する割増賃金(1.5倍)の支払義務のみを課している。この割増賃金支払義務からの適用除外要件としては、「ホワイトカラー要件」「俸給要件」「職務要件」の3つの要件を満たすことが必要とされ、職務要件としては、部下が存在する管理職、自由裁量が大きい運営業務、または、高度な専門職であることなどが要件として挙げられている。教師や法律業務・診察業務開設のライセンスを有する者は俸給の額を問わず原則として適用除外対象者となる。俸給要件と職務要件には一部連動があり、週給455ドル相当以上の賃金を受けている場合には、以下の各要件を満たした場合に適用除外対象者となるが、年間賃金総額が10万ドル以上の場合には緩和された要件を満たせば適用除外対象者となる。
主たる職務が勤務先企業または顧客の財務、経理、監査、品質管理、調達、宣伝、販売、人事管理、福利厚生、法務、コンピュータネットワーク、データベース運営その他の管理等のオフィス・非肉体的業務であること
法学・医学・経理学・保険統計学・工学・建築学・物理化学生物関連学などの長期専門的知識教育による高度な知識を必要とする労働であること
音楽・文筆・演劇・グラフィックアートなどの芸術的創作的能力を要する分野で、発明力・想像力・独創性または才能が要求される労働であること
ハードウェア・ソフトウェア又はシステムの機能仕様決定、設計・開発・テスト・修正、マシン・オペレーティングシステム関連システムの設計・テストなどが主たる職務であること
アメリカの労働省のガイドラインによれば、同制度を適用させるには専門的な教育を受けたという事実などの客観的な根拠が求められ、その要件を満たさないと労働関連の裁判で極めて不利となる。専門的な教育の例としては、管理職だと経営学修士、経理専門職では公認会計士、法務部門の管理職では州弁護士資格などが挙げられる。その他、専門職の場合も、職歴か類する教育を受けたという証明が必要とされる。
しかし、アメリカでは制度を悪用した違法な適用除外のケースが多発し、多くの集団訴訟が起きている[14]。
ドイツ:適用除外要件として、管理職であり労働者の解雇採用権を持っていることを挙げている。適用除外対象者は全労働者の2%であるという[15]。
イギリス:適用除外要件は細かくは規定されていないが、基本的に自由裁量権があり、幹部クラス・高度な専門職である事が要求されている。また、適用除外労働者であっても法定労働時間に関する規制は適用される。
上記のように、欧州各国のホワイトカラーエグゼンプション制度は、日本の裁量労働制に比べて、適用除外要件はやや緩やかであり、法定労働時間についてはやや厳しい制約があるものが多い。また、日本のホワイトカラーエグゼンプション制度の法案内容と比べると、適用除外要件・法定労働時間ともにかなり厳しい制約があるものが多い。
日本経団連の提案では労働時間という基準をなくした中で、給与はどう支払われるべきかといった点について法案化を含めた具体的な対策が示されていない。また、超過労働への対処策については基本的に個々の企業の問題としている。そのため、短時間で成果を上げた労働者に賃金はそのままで次々に仕事を与えるだけ(労働強化)ではないか、無賃金残業を合法化しようとするだけ(労働時間強化)ではないか、労働者の健康管理コストを削減したいだけではないかといった批判が当制度に反対する人々からなされている。以下にそれらの代表的見解を挙げる。
これまでは時間外労働に対して「割増賃金を支払う義務」が存在しており、また、形骸化されているとはいえ「時間外・休日労働に関する協定(三六協定)」の存在もあったことから、労働時間が過剰に増えることに対する一定の歯止めがあったが、ホワイトカラーエグゼンプションの導入が実現すると、それらの歯止めが無くなる。
過労死弁護団全国連絡会議によれば、ホワイトカラーエグゼンプションを導入しているアメリカでは同制度の適用を受ける労働者のほうが労働時間が長くなる傾向にあるという[16]。
また経団連の提言では、仕事と賃金の関係についても具体的な規定を想定していないので、企業によっては仕事を増やすだけ増やして賃金は増やさない、処理しきれなかった仕事の分は減給という事にもなりかねない。「欠勤は減給とする」という提案とあわせると、休日労働の常態化の危険も指摘される(欠勤と休日労働)。
実際、近年の労働基準監督署のサービス残業指導強化に対し、日本経団連は「企業の労使自治や企業の国際競争力の強化を阻害しかねないような動きが顕著」と非難している。言うまでも無くサービス残業は違法であるがあえて非難発言したことからも推進側はサービス残業を既に存在する必要なものと認識しており、その合法化を志向していると推察される。また推進論のどれもサービス残業が存在する事実について、言及していないか説明できていない。また、内需拡大が経済成長に結びつくという観点から見ると、残業代を出さないことによる賃金上昇に歯止めをかけることは、内需の縮小に結びつくため、この観点から経団連に反論している人もいる。[要出典]
本来、ホワイトカラーエグゼンプションは成果主義に基づき労働者間の賃金の再配分を行い、効率的な賃金体系を達成するものであるので、総人件費の抑制を目指したものではないはずだが、単に残業代を不払いとしてその分が賞与として実力のある労働者に再配分されることがなされず、企業による実質的な人件費カットのツールとして使われるだけの可能性がある。
「労働者個々の成果の総和=総収益又は総利益」という論理で総人件費を総収益又は総利益に対し一定の割合に抑えるツールとして使用される可能性もある。使用者の中には適用対象を全労働者にしたいと考えたりしていることや、春闘等におけるボーナスの成果連動性に対する固執、総利益が安定しやすくなる≒株価も安定しやすくなることなどからも、既に使用者がこういった志向をしている懸念がある。
業務上、残業が必要な事態が生じた場合、残業代をもらうことが残業の動機づけになっている労働者も多い。残業代が支払われなくなると、誰の仕事かが明確ではない仕事については、引受け手がいなくなってしまう可能性がある。このことから制度を成り立たせるには、対象となる管理者について、雇用主が業務内容を明確に示し契約をかわすこと、対象となる管理者に解雇・採用権を与えることが必要となる。もしも対象者が派遣社員やパートなどを効率的に使う裁量権を与えられるなら、ワークシェアリングが実現する可能性がある一方、正規雇用社員から非正規雇用員への切り替えが促進される可能性もある(そもそも成果主義的な対象者の仕事が派遣社員やパートで置き換え可能なのかという疑問もある)。いっぽう、対象者に業務契約や人事裁量権が与えられない場合は、対象者の労働負担が著しく増加したり、上層部から対象者への一種のいじめツールとなったり、上層部による対象者の恣意的な解雇が行われる危険性もある。
ホワイトカラーエグゼンプションにより労働時間は経営者の管理対象から外れるので、万が一従業員が過労死した場合も、従業員の自己責任で片付けられる可能性が出てくる(奥谷禮子などすでにそう公言している経営者も多い。奥谷の発言は「06/10/24 労働政策審議会労働条件分科会 第66回(議事録)」。ちなみに同氏が他に週刊東洋経済で行った発言は国会でも取り上げられた)。労災にも問われなくなるので労災保険料(労災が出ると保険料が上がる、100%会社負担の保険料)が抑制でき、過労死裁判などで従業員の遺族に多額の賠償金を支払うという可能性も減少する。
日本経団連では労働者の最大拘束時間を定めたり、一定時間勤務したものに休暇を付与したり、一定期間毎の健康診断を行ったりといった対策を提言しているが、いずれも労使で「自主的に取り決めるべき」としており、経営体力の弱い零細・中小企業等でこれらの規定を隠れ蓑として悪用される可能性もある。もっとも、大企業でもこれが悪用される可能性も捨てきれず、これらの含みを持たせるため「あくまで個別の会社(と組合)の問題」とし制度自体に盛り込まないようにしているとも見れる。
これらの懸念に対して、厚労省は2006年11月に示した修正案で「週休二日以上の確保の義務付け」と「適正に運営しない企業に罰則を科す」旨を盛り込んでいる[17]。しかし、草案に反対する論者からは現在でも「出勤簿には有給休暇や代休と記載したが、実際は残務処理のため出勤している」という状況が散見されており、まだまだ対策が不十分であるとの指摘がなされている。また現状でもサービス残業・激務による鬱などの精神疾患・過労死などが横行しているのに、更に経営者によって恣意的に用いられかねない制度は導入すべきでない、そもそも経営者の管理能力と信頼性・法令順守意識が足りていないから現状ですら問題があるのに、制度導入でそれらが更に増幅されかねないという指摘もされている。
また、上節の「誰が残業をするのか」と同様に従業員いじめのツールとして悪用される可能性がある。経営側がその意にそぐわない従業員に対して、過重労働を強いて退職・休職に追い込むケースや、最悪の場合死亡したとしても「過労で倒れた」事にして片付けてしまうケースなどが具体例と考えられる。この場合は、経営側の責任を問えなくなってしまう可能性が高く、「過労死しました。自己責任です」の一言で全て片付けることが可能になってしまう。
経団連の提言では「労使委員会の決議で定めた業務で、かつ年収400万円以上」となっていたが、厚生労働省が2006年末にまとめた最終報告書では、新たに対象労働者は管理監督者の一歩手前に位置する者」とし、年収要件を、「管理監督者一般の平均的な年収水準を勘案しつつ、労働者の保護に欠けないよう、適切な水準を定める」としている。
しかしながら、反対論者を中心に「一度導入したら、少しずつなし崩し的に適用除外水準が緩和されていき、最終的にはほとんどの労働者が対象になるのではないか」との危惧が多い。asahi.comのbeモニターを対象としたアンケートでは、「いずれ対象が広がるからホワイトカラーエグゼンプション制度に反対」という回答が30%に達している[18]。実際、労働者派遣法では当初は厳格な基準が定められていたが、なし崩し的な基準の緩和により、現在では一部の例外を除いて事実上派遣が自由化されてしまったという歴史がある。
また先述の丹羽宇一郎の発言のように、年収・職位面で本来は適用除外要件を満たさない「若手」の労働者にまで適用除外範囲を広げたい、という意図が推進側に存在している。
2006年の厚生労働省案では当制度の影響を受けるのは年収額は明示されていない。運用によっては、エグゼンプション対象者以外にも影響が出る場合がある。以下にそのケースを示す(例:基準額が年収800万円の場合)。
上記は企業側がA氏を適用除外対象として、B氏やC氏の仕事をA氏に押し付けるケースである。企業側としては、B氏C氏の人件費をカットした上、A氏の残業代もカットできるので、A氏のチームの人件費を半分以下に抑制できる。
なお、この場合のA氏の年間労働時間は約5,000時間にも及ぶが企業側はA氏の労働時間を管理対象とする法的義務がない。仮に激務に耐えられずにA氏が過労自殺をしようが、「自己責任」で済まされてしまう可能性がある。
経団連案のように、年収の比較的低い非管理職従業員も制度対象とした場合、以下のように退職金などの一時金が不要な雇用契約者のみを解雇するケースも想定される。
このケースではA氏は給料が下がった上に労働時間が増え、B氏も給料こそ維持されているものの労働時間が増えているため、時給換算では約25%の給与低下となる。結果として、このケースではチーム内の人件費を約25%削減出来ることになる。退職金の額によっては、ケースAよりも実現する可能性が高いと考えられる。
労働者の(時間あたりで見た場合の実質的な)年収ダウンや、過労死や「心の病」(うつ病など)にかかってしまう従業員の増加、有給休暇の未消化、厚生年金の財政悪化など様々な問題が発生する可能性がある。また、ホワイトカラーエグゼンプションに反対する論者からは、仕事が一部の人間に集中することによって失業率が上昇したり、労働時間の延長によって少子化に拍車がかかったり、低所得者層の増加により格差社会を更に助長する、さらには自殺を増加させる、などと既存の社会問題を悪化させるのではという懸念も出されている。
また、労働運動総合研究所はホワイトカラーエグゼンプションを導入した場合、11兆5,851億円(一人あたり 114万3,965円)の残業代を労働者が失うと試算している(参考)。また、これにより内需が大きく冷え込む事になるため、雇用状況が内需状況に依存しやすい非正規雇用者の雇用状況も大きく悪化する懸念や、日本の貿易黒字が肥大化する事による貿易摩擦の再発の懸念など、間接的な懸念は数多い。
ホワイトカラーエグゼンプション制度に関しては雇用者側でも意見が分かれていて統一的な見解が出されていないのが現状である。各種経済団体においては、日本経団連は導入に全面賛成しているものの、経済同友会は「仕事の質・量やスケジュール(納期)にまで裁量のある労働者は多くないのが現実であり、また仕事の質や種類によって労働時間は決定されるべきであるため、まずは現行の裁量労働制の制度の活用を更に推進して仕事の進め方の改革を進める方が先」と今回の制度導入には反対の立場をとっている(参考)。
なお日本商工会議所は労働時間規制の強化そのものに反対であり、当制度に関しては「中小企業の実態に即した制度を望む」という立場である。中小企業の実態に即すると言うのは、同報告書によると「管理監督者の範囲は実態に即して決めるべきで、範囲を狭めてはならない」とのことのようである(付属資料17ページ)。また、個人的な見解を発表している経営者でもワコール社長の塚本能交のように「そもそも時間内に仕事を行うことが評価されず評価も出来ない日本の労働環境下では、導入しても過重労働を招いて生産性の低下を招くだけ」と反対している経営者もいる。
ホワイトカラーエグゼンプション制度は「日本にはなじまない」という主張がある。主張の要点は以下の通りである。
ホワイトカラーエグゼンプションによって成果主義色がより強くなる事になるが、日本では成果主義の運用が上手く行っていないため、単なる賃下げで終わってしまう可能性が高い
「自律的労働制度」の先駆けとも言えるフレックスタイム制が業務遂行上の問題多発などで失敗に終わっている事例が多く、そのような状況でホワイトカラーエグゼンプションを導入しても長時間労働につながるだけである(なお、日本経団連会長の御手洗冨士夫が経営しているキヤノンでは一時期フレックスタイム制を導入していたが、御手洗の社長在任期間中に廃止している)。
上項「導入を不要とする意見」において記載したが、労働政策審議会は内外の反対意見を押し切る形で報告書をまとめてしまっている。報告書をまとめるにあたり、労働者側だけでなく使用者側の反対意見まで押し切ってしまっている[20]。この事は象徴的な出来事であるが、「まず導入ありき」になっており、全体的に議論が不十分であるとの指摘が多い(一例)。
ホワイトカラーエグゼンプションに関するニュースなどの報道や情報提供は、十分に行われているとは言いがたい状況である。報道内容も、単なる残業代ゼロ制度として紹介するケースが多い。各新聞や雑誌等の紙媒体メディアはそれでも、時折特集記事を掲載するなど、ある程度の報道量があったが、TVメディアにおいては2006年12月まではこの事についてほとんど報道がなされなかった。その結果、労働政策審議会が報告書をまとめる直前の時期であった2006年12月時点においても、連合が行ったアンケートによると、ホワイトカラーエグゼンプション法案について「全く知らない」という回答が73%にも達するという結果が出ている[21]。

 

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