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向かえるとは?/ マイワン

[ 886] ハートフリーでお客様を向かえる/理解者を増やすことが社会参加の始まりに : 福祉 -- ゆにねっと : カナロコ -- 神奈川新聞社
[引用サイト]  http://www.kanaloco.jp/uninetblog/entry/id_1434

カナロコ:神奈川新聞社がお送りしますゆにねっと : 福祉の記事「ハートフリーでお客様を向かえる/理解者を増やすことが社会参加の始まりに」です。
今いたるところで“福祉”や“バリアフリー”が注目されています。自分以外に目を向けるということでは、いいことではないかと思います。特に現代社会で、街を歩いていても周りの見えない余裕のない人が多いですからね。
しかし、それが仕事となれば別です。不特定多数のお客を扱うサービス業では、間違いなく多種多様な人がいて、そのお客すべてに平等のサービスを提供しなくては、評価は落ちていきます。不況のなか生き残っていくのに、サービスという面では命取りになり得ません。車いすを使う障害者だけでなく、高齢による視力低下、聴力低下、視覚や聴覚障害というと、いずれ誰もがかかわっていく世界でもあります。そこで、サービスを提供する側と、実際提供される側の人たちが、勉強をし、歩み寄る場面が必要になります。
昨年に続いて7月8日と15日の2日間、NPO法人「animi」の仕事として、市民活動グループ「トラベルフリーの会」会員7人が、ホテルニューオータニ(東京・赤坂)へ、新入社員に対するバリアフリー理解の研修に派遣されました。新入社員120人(1日60人)を相手に、障害者や高齢者に対する接し方、体の状況にあわせたサービスということで、話をしたり、実際に車いすに乗ってみて体験と介助方法、アイマスクをして視覚が奪われてる体験と介助方法を中心に研修しました。
実際の研修というのは、昨年と一通り流れも一緒だけど、今年から「animi」による選抜の講師陣で、今まで一緒だった人が、ずいぶんといない。だからこそ1人1人が伝えなくてはいけないことが増え、他のメンバーのことを考えつつ、自分しか伝えられないことを伝えていく。まだこういったことをやり初めて2年目のあゆには、どんどん難易度が上がっていく気がするんですけど…。
ホテルに入ると難易度が高い“ふかふかジュータン”が待っている。足に障害があったり、車いすを使ってると、これがものすごく厄介もの。この日は車いすユーザー2人、視覚障害者2人、健常者2人、歩けて車いすも使い、手にも障害のあるあゆ。うち女性は2人。バラエティに飛んだメンバーだけど、聞くより見てもらい、いろんな障害者がいることを実感してもらう。
それでも今回は都合が合わず参加できなかった他の障害者や、高齢者の人までのことを、このメンバーで話して伝えなくてはならない。プレッシャーがありますね。いい緊張感なんだけど。
研修が始まると、障害者の理解についてからスタート。といっても難しいことはせずに、障害者といっても何者なのか、と、自己紹介を含めた自らの日常生活と障害について話す。積極的に活動している人が多いので、仕事以外に何をしているかまで話は膨らんでいくが、あゆも昨年とやってることが違い、同じ講師陣でも「あっ、こんなこと始めたんだ…」と、その場で改めて知ることも多いんです。苦労話をするのではなく、こういったことができない人もいて、それは工夫ですむものと、人の手が必要なものがあり、必要とされた時にどうしたら、相手が快適に過ごせるかという話をします。障害があるからすべてやってあげればいいというわけでもない。たとえば全盲の人にご飯を口元まで持っていって上げるのではなく、位置関係を教えてあげれば、普通に食べられるし、周りの人と話しながら食事を楽しめる、とか。過敏になる必要はないということを、まず念頭に置いてもらうために、話が進んでいく。
そして遠い存在ではなく、必ず身近にいて、だけど見えない存在になってしまっているんだということを、まず、知ってもらうことから始めます。横浜市内で言えば45人に1人は障害者がいるとされ、中学校のクラスに1人いてもおかしくないくらい身近な存在。なのにこの研修を受ける人には、なぜ障害者がいないのでしょう? 疑問をぶつけてみたり、リアルに感じてもらうんです。あゆは、車いすに乗っていると、子供のように話しかけられることがあってあまりいい気持ちはしません。
22歳のあゆに向かって「おじょうちゃんいくつ?」は、ないでしょ? むかっとしながら、こっちもお化粧までして、童顔だろうとそれなりにやっているのだから、しっかりと返し、相手は驚く。知らないということは、恐ろしいことで、そんな事をサービスでしてしまっては、評価も下がるし、相手であるお客に対しての敬意がなくなってしまう。あくまでも相手は障害があろうとなかろうと、同じお客だということを再認識してもらうんです。そして自分たちがサービスという形にして行くために、考えてもらう。これが体験実習というもので、実際に車いすに乗って、どういう部分で不便か、こんなことをしたら怖いか、こんな風にしたらいいんじゃないかと、体で覚えてもらう。
聞くより見る、見るより感じる。最低限の操作法と、注意事項を述べて、実際に乗ってみて、押して介助をしてみて感じてもらう。また、視覚障害があると、どれだけの情報がさえぎられ、サポートが必要なのかも、前後半に分けて体験してもらう。自分たちの仕事に生かすには、相手の立場に立つことが近道で、それを考えてもらうのだけれど、短い時間に凝縮するので、講師陣も一生懸命がんばっちゃいます。
体験して不便だと思う点は、どう改善したらいいか、随時体験しながら講師へ質問を投げかけ、話し合いながら、50分間で一通りの体験してもらいました。また、改善しきれなくても、気遣いと工夫で、ずいぶんクリアできることもある。そういったことも、気付いてもらうために、全員に介助する体験と当事者の体験をしてもらいます。
体験しても、それが万人に通用することではなく、視覚障害者に対しては、また、まったく別のサポートが必要であることもあるんです。車いすは押すことによって移動の介助ができるけど、視覚障害者には押すことは非常に危険で、介助する人につかまってもらうことが基本です。また、あゆのようにつかまるのも、押されるのも、両方危険な人もいる。1人1人全然違うんです。だけどそれは、誰だってそうですよね? 視覚障害があると、点字を使うと思われてますが、点字を読める人は少ないんです。聴覚障害があると手話というのも、全員ができるものではないし、特徴や方言もあります。それを説明すると驚かれる。だからこそ当事者本人に「どうしたらいいか」と、尋ねることを薦めてるんです。
実際に気付いてくる人は「なぜ車いすマークのトイレは男子トイレにしかないんですか」と、講師陣もびっくりする質問。その建物を造った人に聞かないと…。だけど、障害者がそういった性的な区別さえも、無視されていたところもあったということでもある。「私だったらいやだな」という感想をもらした人もいたけど「実際に、そこしかないなら仕方ないって思わない?」と話し合う部分も垣間見られた。そういった小さなことに気付き、今後、自分たちがどうしたらいいか、この研修ではきっかけが目的であり、スタートなのだからどんどん変えていってほしい。ハード面といわれる設備が整っていないところでも、人のハートがあれば乗り越えられる。ハートがあればハードは追いついていくのだから。
このホテルではこういった研修をすることで、少しずつ利用しやすくなっています。また、ハードで補えないものは社員のハートで接し、サポートできるよう努力しています。たとえば、介護ヘルパーの資格を持ってる人がいる、手話のできる人がいるっていうのは、外国に行って言葉が通じなくても、日本語訳のできる人がいるとほっとするような、そんな安心感も与えられます。そういった小さな努力は、バリアフリーを求められている社会では、もっともっと必要になっていくと感じます。
「知らない」からわざわざ勉強するのだけれど、周りを良く見たら、本当は「知っている」んじゃないでしょうか?通勤・通学の電車の中、買い物に行った時、遊びに行った時、見て見ぬふりをしていませんか?
数年前までは、ハートビル法や、バリアフリーなどという言葉も世の中に流れておらず、障害者や高齢者が何かをする場面になると、必ずといっていいほど「お断り」だったり、負担に思われいい顔をされることもなく、敬遠されてきました。それはおかしい、障害者や高齢者だって同じ人間で、楽しむ自由もあるはずだ、と、6年前に、代表と関係者が、社会の観点を変えて行こうと、発足した団体です。現在、団体は高齢者、障害者、健常者、分け隔てなく、横浜を中心に関東に広がって、約80人の会員がいます。障害者や高齢者である自分たちが、年に1度、旅をすることで、バリアフリーチェックを行い、かかわる人たちを少しずつでも意識改革しようと活動しています。
また、日常的にも市内散策やレストランなどで、バリアフリーに対するアプローチを続けています。アプローチの中で、ホテル・トラベル専門学校に講師としていったり、街を一緒に歩いて、バリアとはどういうものかと、体験してもらう活動もしていました。
高齢化社会が進み、車いすを利用して旅を楽しみ、ホテルを利用することが増えていくでしょう。そういったお客にも、不快な想いをせずに過ごしてもらう、というサービスの提供のために、新人社員から育成していき、または、入社以前の学生のうちからサービスに対しての意識、多種多様なお客への対応に取り組んでいるところが増える傾向にあります。
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