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温もりとは?/ マイワン

[ 477] マンガがあればいーのだ。 「温もり」を求める貴方へ、宇仁田ゆみ作品のススメ
[引用サイト]  http://mangaen.blog30.fc2.com/blog-entry-419.html

触れたくなる。無性に誰かと触れ合いたくなる。大好きな人に、優しくしたい。大好きな人を、大事にしたい。宇仁田ゆみ先生の作品を読み終わると、いつもそんな衝動に駆られる。こんなにも優しさに包まれてる作品って中々ない。その優しさの居心地が良くて、また作品の中に舞い戻ってしまう。いつまでも入ってられるぬるま湯のような感覚。何だか安心して読めるんですよ。心が安らぐという意味で。何でだろう。登場人物たちの優しさから来るのだろうか、“それ”は。うん、確かに出てくるキャラ達の心は皆優しい。その優しさが誌面全体に波及してる感じなのだ。これはもう感覚的なものなんですが、そこには確かにあるんです。目に見えない“温かさ”が。「うさぎドロップ」から入り込んだ宇仁田ワールド。宇仁田先生は「家族」をすっごく大事にしていると思うんです。うん・・・“絆”って言った方が近いかな。それがきっとこの温かさの素なんだって。宇仁田作品に浸かった後はしみじみ感じてしまいます。というわけで最新作「うさぎドロップ」の他、宇仁田先生の長編作品である「よにんぐらし」「トリバコハウス」を中心に、「マニマニ」「アカイチゴ シロイチゴ」などの短編についても紹介したいと思います。是非ビビっときた作品があればチェックしてみてくださいね。自分自身もまだ全部宇仁田先生作品はチェックしきれてないので、色々“抜け”はあるかと思いますがご勘弁下さいませ。それでは優しい宇仁田ワールドの世界へ、どうぞ!!---------------------------------------------------------------------■【30歳・独身男は6歳児を育てられるのか?「うさぎドロップ」】すでに「うさぎドロップ」に関しては1度レビューしてるのでそちらをご参照⇒「うさぎドロップ」と「おたくの娘さん」から見る、ある日突然娘が出来た時の対処法こちらは1巻のみのレビューなので、2巻も最近発売されたのでちょっと触れてみたいと思います。(ネタバレ含みますのでご注意下さい)1巻で描かれたのはりんとの出会い、そして一緒に暮らしていくその過程。独身男がある日突然6歳の女の子を養う、というトンデモ設定なんですが、次々に現れる壁をきちんと乗り越えさせながら展開させていく。この辺りが妙なリアル感があって、苦悩する姿がリアルを感じさせるんですね。そんな中でもりんへの“優しさ”と“責任感”を織り交ぜながら物語は進んでいきます。そして同時に湧き上がるりんの母親への疑問。それを解決する為に、大吉はりんの“父親”であるじーさんの家へと出向いたのですが・・・2巻ではその“事実”が少しずつ明らかになっていく。りんが生まれた理由。そして母親がいなくなった理由。それが大吉とりんの生活にどんな影響を及ぼしていくのか。それは是非2巻を手にとってご覧頂きたい。というわけで相変わらずりんちゃんの可愛さは劇的なほど。髪を結んだりんちゃんああああ。女の子って髪型変えただけでホントにガラっと変わるもんなぁ。小さい子はこれまたそれが新鮮な感じで。1巻ではどちらかと言うと暗めに描かれたりんちゃんですが(そもそも葬式がスタートでしたし)2巻からは沢山の人と打ち解けてきて、その可愛さがより一層引き立ちます。嗚呼、やっぱり女の子の可愛さは格別だなぁ・・・とか成った事のない親の気持ちになってみたり。6歳児という事で2巻ではついに小学校に入学するりんちゃんなのですが、その頃って周りの友達の影響を受けて、色々考え出すようになるんですよね。少しずつ自立し始めて・・・けどやっぱり甘えたい年頃。友達から「小学生にもなって抱っこなんておかしい」と言われたりんちゃん。それを真に受け、しばらく甘える事を控えようとするのだが・・・「べつにだっこぐらい、いつまででもしてやるよ」人との触れ合うという事は子供にとって一番大事な事だと思うんですね。それがないと、人の温もりが分からないじゃないですか。それを身体に染み込ませて、人は人を求めていくのではないかと。大好きなお父さん、お母さんに抱っこされた記憶。それは大人になってもずっと残り続ける、大事な記憶だと思います。そして大人になって。やっぱり抱きしめられるのは気持ちがいい。人と触れ合うという事が、全ての原点のような気がして。まるで子供の時に戻ったような気持ちになれる。宇仁田先生の作品の全てに通じるのはその「触れ合い」だと思います。宇仁田先生のキャラクター達は、優しく触れ合う。ふとしたシーンでも、きちっとそれが描かれているのだ。その温かさが、読者の心に流れ込んでくる。宇仁田作品を読んだ後に心に残る温かさは、きっと“それ”だ。そう、きっとこの誌面から溢れ出してきてるのは・・・「体温」なのだ。「うさぎドロップ」の主人公である大吉は、りんと暮らし始めてから変わった自分の生活についてこう語っていた。「この数ヶ月で自分の中の大事なモンの割合が、すっかり変わってしまったっていう、 ただそれだけのことだ」大事なモノ。時に人はそれを見失いがちになると思います。それはやっぱり大好きな人であり、そして家族だなぁと。それを見失ってはいけない。その温もりこそが大事にすべきものなのだ。いつか家族が出来た時、それだけは間違えないようにしようって、そう思ったフレーズでした。この「うさぎドロップ」で宇仁田先生の作品に出会ったわけですが、そこからハマっていくきっかけになった、そんな魅力が溢れてます。同じように宇仁田先生の作品に興味を持った人は、ここからスタートしてみるのをオススメします。そしてその後へのステップは・・・更に深い家族愛を描いたこの作品でいかがでしょうか?---------------------------------------------------------------------■【温かすぎる絆を描いた素敵な家族漫画「よにんぐらし」】宇仁田先生の作品で一番好きなのはこの「よにんぐらし」かもしれない。いや、かなり悩みますが、どうしても一つだけ選べ!となればこれを選ぶと思います。家族の、何気ない日常を描く。ただそれだけと言われれば、それだけが描かれた作品なのですが。宇仁田先生の作品の中で一番温かい作品です。タロー、ちはる、ゆり、コタローの4人。優しい家庭。明るい家族。そこには理想的とも言えるファミリー・ライフが描かれている。けどそれは嫌味でも何でもなく、時に大変な想いをし、時に慌てふためいたりもする、極自然な姿として描かれている。宇仁田先生はホントに優しい人なんだろうなぁって。だってこんなにも優しさが溢れてる作品ってそうそうないですよ。うん。何て言うのかな、母性に包まれた感覚というか。“家族愛”という言葉をまさに表現した作品です。それは大人からの愛と、子供からの愛。その二つが見事なまでのバランスで共存してる作品なんです。親は子の事を大事に想い、子はその優しさで育つ子供に何かを教えるという事の大事さ。それを中途半端にしてしまったら、しっかり育たないって。改めて思い知らされます。真っ白なキャンパスに、どんな色を塗っていくか。それを導くのは親の役目なんだなーって。ああ、親でも何でもないのにこんな事思ってるw子供を育てる大変さ。けれどそんな大変さを吹き飛ばすような嬉しさ。その二つとも心に入ってくるけれど、ずっと残り続けてるのはその嬉しさ。だから子供が欲しい。家族が欲しいってそう思った。だって何かを共有できる、ううん、何かを共有したいって思える、大事な存在がいる輪があるのって素敵じゃないですか?「同じものを見て、一緒にワーワーキャーキャー。 だいじな時間 」思い出。大事な人と作っていくその時間は、人生で一番の宝物になる。どれだけ多くの宝物を作る事が出来るのか。それが人生における一つの幸せの形なのかなぁって。この「よにんぐらし」はそんな事を思わせてくれる、とてもとても素敵な作品。一緒に暮らすという意味。それは同じ時間を共有していくという事。一つ屋根の下で、同じ部屋で、同じ布団で寝るという事。そうして出来た絆は、何よりも強い。そんな、「よにんぐらし」。数ある宇仁田先生の作品の中でも、強くオススメしたい作品です。家族というモノが抱える幸せ、苦労、嬉しさ、大変な事。ぜーんぶ詰まってるから面白い。だからとっても温かい。そんな家族モノが好きな人はもう迷わずどうぞ。出来ればタローとちはるの恋愛話も見たいなぁと思うけれど、それは番外編のお楽しみかな?宇仁田先生は長編作品はほぼ必ず番外編を描いてくれるんですよね。これってその作品のファンとしてはすごく嬉しい事で。やっぱり作品が好き=キャラクターが好き、という事なので、好きな人のその後って本当に気になる。だから、後日談だったり、名脇役のエピソードとかは、本当に嬉しいんです。というわけでタロー&ちはるの恋愛編はまたのお楽しみ。今度はそんな宇仁田先生が描く恋愛長編を見てみましょう。---------------------------------------------------------------------■【飼われていた女の子の、成長物語。「トリバコハウス」】恋愛は、人を大きく成長させる。勿論例外もありますけどね!けど、たいていの場合、真剣な恋愛は自分の人生経験値を引き上げてくれる。自分を大きく成長させてくれた人。きっと貴方の人生に1人や2人、そんな人がいるだろう。この「トリバコハウス」という物語の主人公・ミキ。彼女における鎌谷くんの存在がまさしくそれだった。それまでは何の目標もない、ただ男に飼われてるだけの人生だったミキに、生き甲斐や新しい世界を見せてくれた。全2巻+番外編の構成になってるこの作品だが、1巻の頃のミキと、2巻の終盤のミキでは全くキャラが違う。いや根底は一緒なんだけど、オーラが違うというか。まさしく“成長”し、”羽ばたいた”という表現がしっくりくる。籠の中で“飼われていた”ミキは、鎌谷くんという外の世界を知ったのだ。「こっち」彼女が迷ってた時、きちんと手を差し伸べる事が出来るだろうか。いや、彼女が正しい道へ行くようにと導く事が出来るだろうか。時に深い恋愛は色々なモノを見えなくする。「恋は盲目」とはよく言ったもので、本当に周りが見えなくなってしまう場合が多い。恋に溺れる事は快感だし、恋する相手と共に過ごす事、肌を重ねる事は気持ち良すぎて何もかもどうでも良くなるから。「ふたりとも同じ香りがするのって……なんか現実感がなくて、フワフワする…」この表現、何かものすごく同意です。曖昧になるんですよ。自分とその子との身体の境目が。ぎゅって抱きしめ合う。長い時間、ずーっと抱きしめ合う。そうすると、二人を包む香りが混ざり合い・・・一緒になる。身体も重なってる。どこまでが自分で、どこまでが相手なのか。暗闇の中だと余計それが分からなくなる。まるで自分の一部のようで、それがとても心地良い。そんな恋愛の“気持ちよさ”を、宇仁田先生はとことん描いてくれる。触れ合いや温かさをとても大事にする先生は、この「トリバコハウス」でもそれが十二分に発揮されておりこれまた見ていて気持ちいい。「そして彼は熱っぽい手で、やさしくやさしくあたしに触れた」嗚呼、もうこの表現がね、たまらないよ。宇仁田先生の言葉はとにかく締め付けられるんだよなぁ。「触れるといつも 気が遠くなる」初めての時も、何年経った時でも。大好きな人と肌を重ねるその瞬間、その温かさが自分の身体に肌から肌へと伝わってきた時。一瞬心がどっかへ飛んでいきます。そこは天国なのか、現実なのか。あの快感は、何度味わってもいい。そこに確かにいる大好きな人。離したくない、離したくないって強く思ってしまうんだ。と、そんな肌を重ねるようなシーンは実は「トリバコハウス」にはそんなに出てくるわけではなく、むしろ日常シーンの方が圧倒的に多い。その日常シーンがまた堪らなく好きなんですけどね。「トリバコ〜」のキャラ達はこれまた魅力的。お調子者のケンちゃんに、漫画を愛するダイキくん、優しい拳法家キンポ。そんなトリバコ荘の住人たちと、ミキと鎌谷くんというカップル。とても優しい人達が綴る、とても優しい物語。それは一つ屋根の下に住むトリバコ荘の住民たちの、物語。人と触れ合って生きるのってこんなに楽しい。だからそんな人付き合いに疲れた人にこそ、読んでほしいかもしれない。こんなにも温かいものだったんだな、ってきっと思い出すのではないでしょうか。「触れてなくても、近づいただけであったかいってどーゆーことだろ…もあっと…」恋の成長物語として読むのが通常の読み方だとは思うのですが、ここはあえて「温もり」に焦点を当ててみました。パーソナルスペースを広く取らないと駄目だったミキが、人との触れ合いの温かさを思い出していく、そんなストーリーとして見てみるとこの物語がまた一層魅力的に映るのではないかなーと思います。さて先ほども述べたように、この「トリバコハウス」には後日談を描いた番外編があります。それがこの「ゆくゆく」丸々1冊が「トリバコ」のキャラクター達の後日談・番外編になっており、ミキの親友であるトモコを始め、ダイキくん、キンポ、そして鎌谷両親話といったものもあり、最後にはミキと鎌谷くんの後日談もたっぷり入ってたりするので「トリバコハウス」ファンはもう絶対抑えておくべき1冊。ってかこの「ゆくゆく」を見て、初めて「トリバコハウス」という物語がは完成すると言っても過言ではないです。それぞれのサブキャラ達に焦点を当てた短編はどれも魅力的なのですが、中でもキンポのこの台詞には痺れました。「やだ…そーゆーの…口の中とか切れちゃうかも…こわくないの?」「全然。キミの身体にくっついてるモノだし」普通であれば確かに切れちゃう怖さとかを感じてしまうのかもしれません。俺もきっとそう。けれど、本当に好きな人であればそんなのは気にならないんじゃないか。大好きな人とキスをするという事。それが何より大事な事で。矯正も含めて、大好きな人の全てを愛する。これをちゃんと分っていて、そして何の迷いもなく行動に移せるキンポ。素敵です。宇仁田先生の「愛し方」は本当に優しい。決して強引ではない、そして見せかけだけじゃない心が込められてる愛し方なのです。この辺がまさに母性をまた感じてしまうと共に、世の男性はこれをまた手本(?)としなければならないなぁとも思った次第で。さてこの「ゆくゆく」に収録されてる話はどれも好きなのですが、中でもやはり40代の恋愛(?)を描いた鎌谷両親のエピソードは相当胸締め付けられました。「アンタがやったことは棺桶入ってもおぼえとくし、ゆるさへんわ!!」10年前に、二人は離婚した。夫である清の浮気が原因。そして何とその浮気相手と子供も出来てしまった。けれど何年経っても、10年という月日が経っても、清の中で一番なのはミスズという女性なのだ。そして清は決心する。もう一度ミスズとやり直したい。もう一度家族になりたい。その想いをミスズにぶつけるのだが・・・あっさりとミスズはその申し出をOKしてくれた。拍子抜けした清は尋ねた。「許してくれるのか?」勿論許すハズが無かった。その答えが、上のある通りだった。その事実は事実として、一生覚えていく。それはそうだ。忘れるわけにはいかない。その事実を忘れるという事は、自分にも相手にも「嘘」を付くという事だから。そして。「そやけど、あたしには死ぬまで…死んでもあんたしかおらん… よそのオッサンなんかどーでもエエんやわ…」これもまた事実。許せない、許せるハズが無いのだけれど。それでも相手の事が大好きなのには変わりが無かった。それほどまでに、その愛は深かったから。その愛は、誰かが代わりになるものではなかったから。やっぱり浮気ってされた方としてみたら一生忘れられるものじゃないと思うんですよね。それを真正面から向き合い、その葛藤を抱えながらも再び一緒になる道を選ぶ。その流れが何とも秀逸すぎて堪りませんでした。正直涙ですよ、このエピソードは。現実的にはこんなに綺麗にいくものではないかもしれないけれど、人の想いの深さと、その方向性のあり方について色々考えさせられました。宇仁田ゆみ先生の作品の主人公たちってすっごい真面目な人達が多いんだけど、こういう変化球的なエピソードも上手く纏める辺りお見事だなぁと。今「今週、妻が浮気します」のドラマに結構ハマってるんですが、してしまった過ちに対して、どう対処していくか。想いに対してどう決着させていくか。正しい答えは無いかもしれません。恋愛の永遠の課題でしょう。「もうず―――っと、こんなあったかくなったこと、なかったわ…」身体ではなくて、心を温めてくれる人。その人こそが、自分にとって一番大事な人です。その人が過ちを犯したのであれば、その過ちに対してどう向き合っていくか。それが何よりも大事なんだと思います。それにしても40代と思われるこのミスズという女性は相当魅力的ですよ。熟女は正直範囲外ではあったのですが、ミスズだったらいいなぁと。大人の女性というものに、いくつになっても憧れは抜けないなぁ。いつまでだっても自分の心が大人になりきれてないんだろうなぁ。(そりゃパンツパンツ言ってる人は大人じゃありません)というわけで「トリバコハウス」、そして「ゆくゆく」。宇仁田作品の恋愛節をめいいっぱい味わう事が出来るこのシリーズ、是非胸の痛みを味わいたい方にオススメです。さてこの長編シリーズに対し、短編シリーズの恋愛モノもあります。それがこちら!---------------------------------------------------------------------■【大人の純愛を感じたい方へ。「マニマニ」】テーマは「大人の女性のための純少女漫画」。というわけで聞いてみると実際女性の方からの支持が圧倒的に多いです。宇仁田作品の中で「まにまに」が一番好き!という人もけっこういます。これはまた男性と女性でかなり意見が分かれるかもしれませんね。共感する面白さという意味では、それは女性にしか感じられないのかもしれません。さて物語としてはオムニバス形式の短編。が、各エピソードが微妙に、けれども絶妙に繋がってるのが何とも素敵。全部で4人の女性が主人公になるわけなんですが、その中で一番好きなエピソードが、シングルマザーであるクンちゃんのお話。「こう言ってほしくて、こうしてほしくてあたしは、ゆうどうじんもんみたいなことをしたのだ」まだ子供のままで母親になってしまったクンちゃん。腹はくくったものの、やはり甘える存在が欲しかった。そんな時に出会ったのが北守くん。クンちゃんは北守くんに自分の全てをぶつけた。彼は、優しくそれを受け止めてくれた。それを10年以上、彼は続けてくれた。「あたしの手が届くところにこの手があればいいの。 あなたの手なら、どこさわられたって気持ちいい…」これはきっと女の子は大きく共感できるポイントではないのだろうか?勿論男としても、やはり好きな人に触ってもらう気持ち良さは半端ない。けれど、女の子の“それ”は本当に違うのだろう。女の子は、気持ちで感じるのだと思うから。気持ちが込もった手で触られて、想いが流れ込んできて初めて気持ちいいと感じる。そんな風に考えてしまう宇仁田先生の「温もり」の描写は、相変わらずお見事なのです。この二人・・・クンちゃんと北守くんは驚くほどの純愛。10年以上付き合ってきた彼らは、結婚はしなかった。北守くんは必死にアタックをかけ続けた。大好きな人の頭を撫でて、触れて、愛し続けてきた。けれどクンちゃんは結婚だけはしなかった。それは彼女の10代の頃のトラウマに起因するのだが・・・そんなトラウマを、北守くんは吹き飛ばしてくれる。「その笑い顔は、あたしの想像をはるかにこえたうれしさとやさしさにあふれていた」いいなぁ。自分の大好きな人に、こんな笑顔をいつもしてあげたいです。自分が嬉しい事を伝える。相手が想ってる事を伝える。それは言葉でも伝えられるかもしれないけれど、たった一つの笑顔でも伝えられるんだ。そんな笑顔を、あげたいです。そして。「〜〜〜、クンちゃ〜〜ん」そしてクンちゃんが北守くんに伝えた言葉・・・想いとは。嗚呼、このエピソード本当にオススメです。大人の恋愛って何かこう色々ドロドロしてるイメージがあるかもしれませんが、これぞ大人の純愛。30代、40代になってもきっと純愛は出来るんですよ。何よりも相手の事を大切に想うのならば、それはきっと“純愛”だと思います。というわけでそんな大人の純愛エピソードから、中学生の淡い恋愛エピソード、30代を超えた女性教師の生き様、そして何年振りかに都会から田舎に戻ってきた元OL・・・それぞれ色んな事情を抱えた彼女たちが織り成すストーリー。そんな中でもこの台詞がまた印象的でした。「女じゃなくなる前に、めいっぱいかわいがってもらお」二人が重ねた年月は、恋人愛を家族愛へと変化させてしまう・・・という経験は個人的に無いので分りませんが。やはりそれは止められるものではないのでしょうね。年とってもラブラブな夫婦ってたまにいますけどね。あれは憧れます。ただそれは二人が努力してきた結果なんだろうなぁと。男として見てもらう、女として見てもらう。お互いが“それ”を意識していかないと、きっと駄目なんだろうなぁって。やっぱり男女関係を円満にやっていくのって、身体を重ねる事は非常に重要な意味を持つと思うんですよね。だからいつまで経っても欲情(?)する相手でありたいし、そうであってほしい。けれどそれでも「家族」へと移行してしまう日が来てしまうのなら・・・それまでの間、めいっぱい愛し愛されればいいかな、と。だから、今を精一杯愛す事が大事。何が起こるか分りません。後になって後悔する恋愛はしたくない。だから今を一生懸命に。そんな、前向きになれる大人の為の純愛少女漫画。それが「まにまに」なのです。そして。そんな「まにまに」の番外編を含んだ短編集が「アカイチゴシロイチゴ」です。これは掲載誌もバラバラな作品たちを集めた、文字通り完全なる「短編集」になってます。宇仁田先生は元々ヤングアニマルなどの青年誌で活躍されてたりしたので、そこからの方向転換を果たしたのは正解だったのかも?いや、実は青年誌時代の作品はまだ読んだ事がないのですが。さてここで掲載されてる「まにまに」の番外編は、強烈な個性を持つ双子姉妹の話。豪快な双子姉妹ってすごく書きやすそうだなぁ。子供の時は喧嘩ばかりでも、大人になってからの双子というのは、本当にかけがえのない存在なのかも。楽しそうです。二人で酒飲んでくっちゃべる。楽しいですよね。と、そんな番外編以外にも掲載されてるのはまだ拙い男女の恋愛話。その中でも約半分を占める「ハナサキキス」は高校生の恋愛話。そんな10代の恋愛について、宇仁田先生はこうおっしゃってました。>10代の人のお話は、大人ではありえないようなドキドキ感が描けるのが魅力だと思います。確かにそうですよねぇ。いや、大人になっても勿論ドキドキはします。けれども全てが初めてだった、10代の頃のあのドキドキは、もうきっとやってこないんだろうなぁと。それを皆知ってるからこそ、学生が主人公の恋愛話って世に受けるんですよね。そこは多くの人達が通過した場所だから。また振り返って感じてみたくなるんです、あの頃のドキドキを。エッチぃキスでドキドキしてた、あの頃。初めて舌と舌を絡めた時のあの感動はやっぱり忘れられなくて、今でも思い出せてしまいます。そして。初めて、他人の肌の感触を感じたあの日。「こんな感触ってあったんだねーキモチいーねー」「うん。アホすぎて言葉うまく思いつかねーけど、ニンゲンってすげー」あのとろけるような温かさは、確かに言葉で表すのは難しいよなぁ。あんなにも心地よい体温を感じる事が出来る人間って、本当すごいと思う。それ以上の言葉はやっぱり見つからない。けどそれでいい。だってすごいんだもの。だからこそ、僕らは肌と肌を重ねる事を欲して止まないのだ。更にすごいのはその上に更に快感があるという事。そりゃ覚えたての人が猿になるのはよく分かる。快感だけを求めてしまう。それはまた若さ故の過ちであり、その過ちこそが成長していく糧にもなるのだなぁと。つまり「エロ」は偉大という事です。んでそんなエロスは人によって感じる所が違うわけでして。身体の全てのパーツに、エロスの可能性はあるのです。「なんか…鼻先の感触ってものすごくエロっぽい気がしてきた……」このエピソードのタイトルにもなってる「鼻先」。確かに触れたり、ぶつかったりするとちょっとドキッとするかもしれません。けどこれは最初のうちだけかなぁ。そのうち慣れちゃうかも?時間が経つとそういった所を意識しなくなっちゃうのかもしれない。というわけでそんな短編集である「アカイチゴシロイチゴ」。やはり宇仁田先生の作品には“温もり”が共通してあるよなぁとも。ただ女性にはオススメですが、男性はちょっと読者選ぶかも。そういった女心(?)に共感できないと読むのはしんどいかもしれません。いや、サラっとは読めるんですけどね。---------------------------------------------------------------------■【宇仁田ゆみ作品のススメ】作品自体の紹介はこれにて終了です。長々とお付き合い頂いた皆様ありがとうございました。いかがでしたでしょうか?宇仁田ゆみ先生の作品。元々「うさぎドロップ」から入ったこの宇仁田ワールド。紹介した順にどんどん古い作品になっていってます。お気に入りは、やはり「よにんぐらし」と「トリバコハウス」かなー「マニマニ」もクンちゃん話がやっぱりいいですね。「うさぎドロップ」含め、この4タイトルはまず外れはないので興味持った方は是非どうぞ。特にやっぱり女性には強くオススメしたいですね。勿論男性にも。むしろ男性に読んでほしい作品の数々。微妙な女心が分かるかもしれません(!?)温もりの大事さって、男女で差があると思うんですよねぇ。女性の作品を読むと、その大事さがとても丁寧に描かれていて、その必然性に気づかされるのです。そんな中でも宇仁田先生の、温もりに対しての描写はとても魅力的。大事に、大事に優しく包み込む。その触れ方、撫で方、全ての描写に優しさが織り込まれてます。それを見てる読者の心が温かくなる。そういう作品って貴重ですよ。そして宇仁田作品ってすごく読みやすい。男性誌で連載してた経験があるせいか、男性女性どちらでも違和感なくいける。スッキリとした絵、極力抑えられた台詞。さくさく読めるのに、宇仁田先生が描く温もりをじっくり感じれてしまう。そんな不思議な魅力を持った作品たちなのです。特に物語が急展開したり、怒涛の展開があるわけではありません。基本は緩やかな話が多いんですが、それがいい。ふとした時に、心安らぎたい時に読むのが宇仁田ゆみワールド。そして読み終わった時、側に誰か大事な人がいるのならば。抱きしめてあげたくなるハズです。触れ合いを、温もりを大事に。宇仁田作品がそれを、教えてくれます。オススメです。---------------------------------------------------------------------<参考>⇒⇒「うさぎドロップ」と「おたくの娘さん」から見る、ある日突然娘が出来た時の対処法⇒マンガ批評:うさぎドロップ 宇仁田ゆみ⇒まんが王倶楽部 宇仁田ゆみ特集2月中頃から少しずつ書いて来たこの記事がよーやくアップできました。長かったなぁ。1つの記事を温めた日数としては過去最長か?それだけ中途半端には出したくなかった宇仁田先生の特集。ちょっとでも皆さんにその魅力が伝わったのなら幸いです。記事中でも書きましたが、宇仁田先生の青年誌時代の作品はまだ読んでないので、その辺を今後読んでいこうかなーと。まずは「スキマスキ」「喜喜」あたりかな。読んだ事ある人、良ければご感想教えてください。あ、そういえば「酒ラボ」は読みました。・・・が、今回紹介した作品たちに比べるとちょっと弱いかなーとも。宇仁田先生のドタバタな日常が好きな人にはオススメできます。が、今回は紹介は省いておきますね。というわけでこの記事で宇仁田先生の作品が、一人でも多くの人の目に止まりますように。願っております。読まれた方はこれまたご感想お聞かせ頂ければ幸いです。---------------------------------------------------------------------うさぎドロップ 1 (1)posted with amazlet on 07.02.24宇仁田 ゆみ 祥伝社 (2006/05/19)売り上げランキング: 1100おすすめ度の平均: 30歳独身男と6歳女の子の共同生活 萌えは無いけど、かなりおもしろいよ。 30歳男やもめと叔母(※6歳)の、柔らかくリアルな生活Amazon.co.jp で詳細を見るよにんぐらし 1 (1)posted with amazlet on 07.02.24宇仁田 ゆみ 竹書房 (2005/05/17)売り上げランキング: 62686おすすめ度の平均: ほのぼのしてて良かったです 日々の感動 読めて良かった…Amazon.co.jp で詳細を見るトリバコハウス (1)posted with amazlet on 07.02.24宇仁田 ゆみ 祥伝社 (2004/04/08)売り上げランキング: 82116おすすめ度の平均: 等身大の恋 宇仁田作品最新作Amazon.co.jp で詳細を見るゆくゆくposted with amazlet on 07.02.24宇仁田 ゆみ 祥伝社 (2005/07/08)売り上げランキング: 85765Amazon.co.jp 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そういえば今週のジャンプのToLOVEるにお嬢様みたいなやつ(名前忘れた)のはいてるパンツフリル付いてましたね。まぁ、たかすぃさんはあのキャラきらいみたいだからレビューしないでしょうけど。とりあえず報告しときます。
ほんと、パンツ記事とのギャップがステキです★女子のせいか、【マニマニ】が一番好きですが、【うさぎドロップ】もさりげない温かさ満載で大好きです。【トリバコハウス】は番外編のほうが面白かったかもwそれにしても趣味が幅広いですねえ。月間書籍費は一体!?
三人の子供をもつ者ですが子供との触れ合い大切ですよね何時も触れ合いを求めてきますよ「触れ合いのあたたかさ」って大事な心の栄養なんでしょうね
創刊してから暫くIKKIを買ってたんでスキマスキは読んでました。隙間から見えるものにフェチを抱くパンチラ属性の亜流みたいな業を持ってる夜間学生の男と、同じ大学に通う一般学生の女との恋愛モノでした。
昨日、うさぎドロップを買ったばかりなのでグッドタイミングでした。宇仁田ゆみさんの漫画これから全部買おうと思います。
宇仁田ゆみさんは女性誌に活躍の場を移してから、買うのを止めてしまったため参考になりましたアニマルとか青年誌のときは今と違って精神的にカッコいい女性(年上、年下問わず)に男が振り回される話が多めだった気がします作風はそんな変わってない気がしますが
スキマスキ読んだことありますよー。面白いですよ!!すごく説明しずらい作品ですwただ、やっぱりウニタワールドではあります!
宇仁田作品は、アニマルでの読みきりから好きで全部買ってますが、本質は女性誌作品と変わらないと思います。独特の雰囲気を持った作品のように見えて等身大だったり、登場人物の自然な関係を読むことでほんわかしたり、ほっとしたり、優しくなれる作品だと思います。
一昨日の記事の人とは別人ですね宇仁田先生の作品をはじめて読んだのは確かヤングアニマルに掲載された読み切りだったと思うのですが、恋愛もの中心の作家さんになっているのかと思ってたら、家族ものを良くされているのをここで知り、驚きました。「うさぎドロップ」買って読んでみようと思います。
私も宇仁田ゆみさんのファンなので、このレビューには感動しました。宇仁田作品の温もりを、しっかりと伝えようという気持ちが伝わってきます。(実際にとても分かりやすいレビューですし、読んでみたいという気持ちにさせますね。)宇仁田作品の中の「温もり」の中で、私が一番共感出来たのが、「ハナサキキス」の初めてHをするシーンです。それを読んだ頃は、私も初めてHをした時期でした。痛みのせいでなかなかHが出来なくて、本当に悩んでいた私に、この漫画は肌が触れ合う温もりを教えてくれたのです。Hよりも、大切なものがあることを知らせてくれた、この作品が大好きです。私のオススメは「スキマスキ」です♪初めて読んだ作品ということもあるのですが、たった1冊の本で、私に宇仁田作品にハマらせた。というぐらいの本なので、是非。「スキマスキ」を読んだ後は、建物のスキマを覗きたくなりますよ。
日ごろ、パンツパンツ言ってるのが面白くてこちらを訪問してますがまさかこんなに熱のこもった宇仁田作品のレビューをなさるとは…!「トリバコ」「ゆくゆく」「マニマニ」「アカイチゴ」の4つしか読んだことないですがその描写と絶妙なリアルさに、ハマってしまってます。これらの作品を「リアル」だと感じるのは、やはり私が女だからでしょうか。無駄がない描写なのだけど、何気ない日常生活のリアルさ(短編の中で、服と下着を一緒に脱いでしまう男の子の話があったり)、むしろ日常で気になる部分を拾って書いてるような、そんな気がするんですよね。宇仁田作品を読むと、抱きしめたくなるのを通り越して、泣いてしまいます。それだけ、心の中で響くものが大きいんですよね。今回上2つの作品は読んでなかったのでレビュー飛ばしてしまいました。全て読んだらまた読み返しにきます。
宇仁田作品は全部読んでる位好きな作家さんなので、今回取り上げられてとても嬉しいです!スキマスキもコミュニケーション方法が独特で面白いですが、たかすぃさんによりオススメなのは「喜喜」の方ですね。特に、グラススパイダーという作品に関してのたかすぃさんの感想が聞きたいです。女のコ プラス 男性トランクス って、たかすぃさん的にはどうですか???私は、女の子が可愛いので何でも許す!って感じですが(笑。こなれてない感もありますが、デビュー作が収録された「楽楽」もオススメですよ。
やーうさぎドロップの優しい感じ・・・いいですねぇ。和みます。僕も名前が「りん」(男)なんで妙に親近感わいちゃって1・2巻一気に買っちゃいましたw今度友人に勧めてきますw
今年のブレイク作品の一つにあげられるであろう「ギャンブルフィッシュ」も気が付けばもう3巻。一か八かに賭ける、ひりつくようなアツさを見事に誌面にて表現するこの作品はやっぱり面白い。

 

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